⽜⾁の⽇本市場へのアピールポイントや課題をヒアリング
現地ではセミナーと交流会が開催され、欧州・スペイン産⽜⾁の安全性と品質を国内の輸
⼊業者に理解してもらうため、ヨーロッパ⽣産モデル(EPM)についてプレゼンしました。
参加者はEPMの主な特徴である、抗⽣物質や成⻑ホルモンを使わない飼育、
トレーサビリティへの⾼いこだわり、持続可能な動物福祉に配慮した環境維持への取り組
みなどを学びました。
EPMのプレゼンについて、⽇本の輸⼊業者からは以下のような評価を得られました。
• 屠畜の⼀貫⽣産での衛⽣環境やエンドユーザーに向けてのパッケージングができている
• 安全性が担保されている
• アニマルウェルフェアに基づく⽣産構造がある
• 家畜を⼤切に扱っている
• トレーサビリティーは前提条件と⾔うくらい当然⾏われている物と考えられており、何か
が起こった際にどこのパッカーでいつ⽣産されたものか判別できるシステムがある
参加者はスペイン全⼟の農場と⾷⾁処理場を⾒学。サラマンカ州では、⾃社農場で⽣まれ
育った⼦⽜の⽣産量が欧州で5本の指に⼊るトップクラスのの畜産農場を訪問し、バレンシ
アでは巨⼤な最先端の屠畜施設を⾒学しました。⽇本の⾷⾁処理場(屠殺場)との違いについ
ては以下のような考察と評価を得られました。
• アメリカなどと違い家畜でも動物愛護を重要視した素晴らしい育て⽅をしている
• アニマルウェルフェアや環境保護に⼒を⼊れている
• 成⻑ホルモンを使⽤していないことや、家畜を⼤切に扱っている
• ⽇本は⼈⼯授精が主だが、欧州では⾃然交配が主である
• 屠畜から加⼯まで⾏っている会社が多数を占めている
• ⽐較的⽇本と同じで安⼼感がある
• 製造施設が機械化されていて清潔感がある
• ⼩規模なパッカーに関してはむしろ⽐較的似ている点が多く感じられる。⼀⽅で
バレンシアで巨⼤な屠畜施設程度の規模の処理場は⽇本で存在しないため、
機械化された最新⼯場は⽬新しく感じる。
また、欧州・スペイン産⽜⾁を⽇本で試してもらうために、以下のようなアピール
ポイントや課題を提案いただきました。
• アンガスビーフに近い品種が充実すれば販路が広がる
• 欧州産グレインフェッドビーフの⽜⾁は主産地の⽶国等と⽐べると、若齢で脂のサシ
が⾮常に少ない、⾚⾝が強い、といった懸念点があるため、⽇本市場でのポジショニ
ングが課題
• ⾚⾝の欧州・スペイン産⽜⾁を⽇本の消費者にうまく売り込むには、国内市場を調査
する必要がある。
• ⽇本でも短⾓⽜など⾚⾝を売りにしているブランドはあるが、まだまだ成⻑期だと思
われるため、⾼たんぱく質などをアピールし、⾚⾝⾁の良さを前⾯に出すのが良い。
• 部位によってはコストパフォーマンスに優れたものもあるため、選定が必要。
• ⾚⾝のおいしさはサシとは対極にあるものだが、⾚⾝のおいしさを評価してもらう
チャンスになる
• ⽇本⼈のヨーロッパに対する印象は良いので、欧州・スペイン産であることは重要な
アピールポイントになる
今回の視察で欧州・スペイン産⽜⾁の特徴を⼗分に知っていただくことができ、⽇本で
はなかなか⼿に⼊らないさまざまな部位(⽜タン、ハラミ、⽜ヒレ、内臓、スカート、
ハンギングテンダー)に興味を持っていただきました。
EPM、最先端の屠畜場、農場、⾷⾁品質基準、安全性、動物福祉、⽜⾁のさまざまな
部位を取り揃えていること、持続可能性へのコミットメントなど、⽇本輸⼊業者と消
費者にアピールするポイントが多く、欧州・スペイン産⽜⾁は⽇本市場への輸⼊に理
想的な製品と
いえます。